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活動記録>平成26年度行政視察 2月4日(火)
■平成26年度 行政視察

魅力ある学校づくりについて

研修視察日 平成26年2月4日(火) 10:30〜12:00
視 察 先 山口県周南市
受入担当者 周南市教育委員会 学校教育課        
指導担当 指導主事  魚谷 裕司様
周南市岐陽中学校  校 長  中馬 好行様
参加者 草政会
  清水 正樹、竹村 勇、 西田 剛、 行岡 荘太郎
  瀬川 裕海、棚橋 幸男、奥村 次一、中嶋 昭雄
あおばな
  中島 一廣
草津「創」
  西田 操子
● 視察の目的
平成24・25年度国立教育政策研究所調査研究事業の指定を受け、「魅力ある学校づくり」として、不登校未然防止や児童生徒の将来の社会的自立を目標に様々な取り組みを進めている周南市教育委員会の取り組みのねらいや目的、またその成果や今後の課題等について研修を実施。

視察項目
 ●魅力ある学校づくりについて
  1.教育委員会における教育方針について
  2.A「魅力ある学校づくり」の概要について
  3.学校連携・地域連携について
  4.授業づくりの工夫やこれまでの体験活動について
  5.児童生徒の変化や反応について
  6.保護者や市民の反応について
  7.これまでの成果や今後の課題について
                     以上、7項目を中心に研修を実施
● 視察の概要
1.教育委員会における教育方針について
  • 教育における「不易」(本質的な価値)と「流行」(変化への対応)を見極め、
    効果的な教育行政の推進
  • 教育委員会点検・評価制度を活用して市民への説明責任を果たす
  • 学校教育と社会教育との連携・統合により、生涯にわたって自己実現を追求することのできる教育環境の充実に努める
  以上の充実に努めることとして、政策分野の基本方針を定めている。

  幼稚園教育
  • 幼児の生活や遊びを通して、人とかかわる力や思考力、感性や表現する力などを育み、人間形成の基礎を培う保育を実践し、幼児の育ちや社会の変化に対応した幼稚園運営の推進
  学校教育
  • 「信頼と期待に応え、夢をかなえる学校づくり」の実現に向けた取組みの推進
  • 「周南市教育センター」によるキャリアステージに応じた教職員研修の充実の推進
  • コミュニティ・スクールの充実による地域と共にある学校づくりの推進
  • 異校種間連携の充実による教職員の指導力向上と活力ある学校づくりの推進
  学校給食
  • 学校給食センターの施設整備
    栗屋・住吉・高尾学校給食センター、平成26年4月運用開始予定の(仮称)熊毛学校給食センターを建設中、未整備の徳山西・新南陽学校給食センターに替わる施設整備の検討
  生涯学習
  • 拠点施設の「(仮称)学び・交流プラザ」の整備を平成26年度の本体施設の建設工事に着手他
  青少年教育
  • 安心・安全な居場所づくり、多様な学習機会の提供、中高校生には体験活動やボランティア活動を通した社会参加の機会の充実
  文化財保護
  • 文化財の保護の充実、活用の促進とともに、地域に根差した歴史を大切にする市民の育成
  人権教育
  • 人権尊重の視点に立って、学校、地域社会、企業、職場で総合的かつ効果的な人権教育の取組みの推進
  図書館
  • 「周南市子ども読書活動推進計画」の成果の検証、調査・研究を踏まえて、第二次計画の策定

2. 「魅力ある学校づくり」(絆)の概要について
この事業は、不登校の未然防止に焦点を絞った「魅力ある学校づくり」を進め、新たな不登校児童生徒を生まない工夫や取組みについて研究を行うもの。

●国立教育政策研究所 調査研究事業の指定(全国22校指定)
●平成24・25年の2年間の調査研究
周南市での取組み
  • 周南市立岐陽中学校区で実施
  • 小・中学校の全ての児童生徒を対象にした取組み
  • 取組みの3本柱「生徒指導の3機能を生かした授業づくり」「かかわり合いのある体験活動」「小中連携・小小連携・地域交流」の設定
  • 小学校高学年と中学校の児童生徒を対象とした年2回の意識調査の実施
  • PDCAサイクルに基づく取組みの改善
  • 年3回の調査研究員会による取組みの評価や取組みの改善に向けた協議
  • 市内外の小・中学校に対する研究成果の還元
  事業の目標と取組み
  目標
  ●不登校の未然防止
  ●児童生徒の将来の社会的自立の促進
  ●小中連携・小小連携による新たな不登校を生まない取組みについて研究

  ●周南市立岐陽中学校区小・中学校の取組み
   (3つの柱)

1.生徒指導の3機能を生かした授業づくり
          ↑
        自己存在感をもたせる
        自己決定の場を与える
        共感的な人間関係を育てる


2.かかわり合いのある体験活動
 ・小中学生が、夏休みの地域の河川清掃に参加、活動
 ・中学生が小学校で、登校時にあいさつ運動
 ・中学校吹奏楽部定期演奏会に小学校吹奏楽クラブがゲスト出演、合同練習
 ・合唱コンクールを小学生が見学、最後に一緒に合唱
 ・それぞれの学校での取組みに加え、小中連携による共同実践や児童生徒間の交流も行っている


3.小中連携・小小連携・地域交流
 ・連携は「情報交換」⇒「交流」⇒「共同実践」の3段階で進めている


3. 学校間連携・地域連携について
  ○連携を3段階で推進
    @「情報交換」A「交流」B「共働実践」
    ・9年間で育てる「学習規律」と「生活作法」
  ○関係4校による組織づくり
    ・推進会議・・・校長会・チーフ会議(教頭会)・・・6部会
  ○地域との連携
    ・コミュニティ・スクールを活用した地域ボランティアの活用
    ・児童生徒の公民館行事や地域ボランティア活動への参加
    ・学校運営協議会や学校支援地域本部事業のコーディネーターによる支援
    ・学校運営協議会間の連携による地域協育ネットの構築

4.授業づくりの工夫やこれまでの体験活動について
  ○生徒指導の3機能を生かした授業づくり
    ・自己存在感の高揚
    ・自己決定の場の設定
    ・共感的人間関係の構築を図る授業実践
  ○かかわり合いのある体験活動
    ・4校それぞれで活動
    ・小中学生が交流する活動(例えば、地域清掃ボランティア、中学生あいさつ大使による小学校での
     あいさつ運動
    ・中学生による小学校訪問と授業での小学生への指導支援 他

5.児童生徒の変化や反応について
  ○児童生徒意識調査からみる変容
    ・学校が楽しい(小中学校ともほとんど変わりなく、肯定的な回答が9割以上)
    ・授業がよくわかる。(肯定的な回答が小学校で9割以上。中学校も好転している)
    ・他の項目でも肯定的な回答が高水準を維持したり、好転したりしている
  ○児童生徒の実態から見る変容
    ・毎日の学校の中に、児童生徒や教職員の元気と意欲が満ち溢れている
    ・長期欠席児童生徒も減少
    ・全国学力・学習状況調査の結果が全国平均より高い
    ・児童生徒の学習状況。生活状態がよく、落ち着きの中に活気がある
    ・無言の清掃では、小学校1年から3年までの活動時間中、静寂の中で掃除の音だけが聞こえる。
     児童生徒も教師も無言
    ・姿勢を正して聞く生徒
    ・学び合いで丁寧に説明をする児童
    ・小中学校で履物を揃える指導も共同実践

6.保護者や市民の反応について
    ・保護者として安心(学校が楽しい、授業が楽しい)
    ・学校に協力したい
    ・小学校で身につけてきたことが、中学校でも生かされる
    ・中学生と小学生の交流活動は、子どもたちはたいへん喜んでいる
    ・中学校の先生の授業を小学校で受けて、中学生活への期待が膨らんだ

7.これまでの成果や今後の課題について
  成 果
    ・児童生徒がより主体的に授業に参加するようになった
    ・児童生徒の主体性が育成された
    ・授業構成に具体的な視点を持つ取り組みが定着
    ・主体的に学習する児童の育成が図れた
    ・全教職員の参画意識の高まり、連携がより活性化
    ・市内全域で、小中連携・小小連携を推進することが出来た
  課 題
    ・難しさを感じる生徒の増加、積極性や充実感の低下
    ・課題解決の経験不足
    ・地域とのかかわり方、実感が不足
    ・家庭学習の定着が見られない
    ・関係校の教員の話し合い時間の捻出が難しい
    ・3小学校の卒業生は、2中学校に進学する実態があり、複数の中学校区での連携の整理が必要

●岐陽中学校の現場視察
 3年生の授業を見学。3時間目の授業中であり各クラスに分かれて参観を行う。
 玄関から入り、1階から3階まで、校舎全体を見学。ゴミや綿ぼこり等が落ちていなくて、校舎階段の隅々まで美しく清掃がいき届いており清潔さが伝わりました。
 また研修において学んだ学校規律と生活作法が育てられていると実感、また授業を受ける生徒の態度にその授業への取り組み姿勢が表れている。先生と生徒の信頼関係が生まれているようにも感じとれた。

● 視察を終えて(感想・提案)
 今回、周南市教育委員会の行政視察は、「魅力ある学校づくり」調査研究事業の取組みに関心を持ち実施しました。
 家庭教育や地域社会の変化に伴い、学校や地域が直面する児童生徒の生徒指導上の諸問題は、ますます多様なものとなっていることから、本市の教育行政を推進する上で、参考とする取組みの一助になればとの思いから研修先に選びました。
 周南市は、平成24・25年度、国立教育研究所から「魅力ある学校づくり調査研究事業」の指定を受けてこの事業に取り組んでいます。
 この事業は、児童生徒の豊かな人間性や自ら学び自ら考える力など「生きる力」を育成することにより、不登校の未然防止に焦点を絞った「魅力ある学校づくり」を進め、新たな不登校児童生徒を生まない工夫や取組みについて研究を行っていこうとするものであります。
 1中学校、3小学校の4校を中心とした協議会「魅力ある学校づくり調査研究委員会」を設置、子どもたちが「毎日行きたくなるような魅力ある学校」とは、どんな学校なのかという主題を研究するため、4校が一体となって協議や共同の実践を重ねています。
 各学校から事業担当者が参加する委員会は、中学校区全体を視野に入れた学び舎の形を作る場で、取組みとして、授業の中での学び合いや自己決定の場の設定、他者とのかかわりある体験活動の充実、異校種間・小学校間の交流の充実を目指しています。
 平成24年度に全小中学校にコミュニティ・スクール制度を導入、岐陽中学校区内の各学校の学校運営協議会でも、「魅力ある学校づくり」の具現化のために、意見集約を実施。コーディネーターがいない学校もあるが、地域人材を知っている委員を通して、地域ボランティアの発掘や集約をしています。
 地域ぐるみで子どもを育むための取り組みであり中学校区の地域教育ネットの推進となっており、この調査研究事業を通して、各学校が共通の課題を共有し、各学校の運営協議会で支援の在り方を検討することで、学校・地域の絆を大切にしながら、子どもたちを見守る仕組みが進んでいるとのことでしたが、本市においても、各地域で地域協働合校の推進が出来ているため、地域と学校の連携がされており、他市に負けない先進地として活動していることもPRいたしました。
 また、岐陽中学校区の取組みは、市内の他中学校区の参考ともなっているそうです。
 3小学校の内2校の卒業生は、別の中学校に進学する子もいるという実態から、草津市でいう中学校区とは違うもののであり、小中連携における整理検討が必要と感じました。
 草津市の中学校区で同様の取り組みを実施すれば、もっと素晴らしい取り組みとなるのではとも思いますが、教職員には今以上に負担がかかるのではないかとも思います。
 しかしながら、4校で実施されている無言清掃では、小学1年から中学3年まで清掃時間中は、静寂の中で掃除の音だけが聞こえる。児童生徒も教師も無言で清掃に取り組んでおられるのですが、上級生が下級生をフォローするなど、思いやる心を育む効果もあり、無言で集中して取り組む姿は本市では見られないものでした。
 このような、自分の心を磨き、感謝と誇りを育てる取り組みは、将来、社会で自立する上で、必要な人間形成にも大いに役立っているものと思います。
 ICT時代と言われて、タブレット授業等が進む中、周南市での教育の取組みの一つは、将来、社会に巣立つ児童生徒の人間形成過程に必要不可欠な取り組みでもあり、本市においても、教育行政の先進を目指す上では、最先端の授業の取り組みも必要であるが、まず社会で生きていける人間として育むことの教育も必要であり、今回の研修から今後の本市の教育行政に反映できるもの、できないものを整理しながら取り組めるものから取組んでいきたいと思います。


報告者  草津市議会会派 草津「創」 西田 操子
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